一つのミスでチームが負ける

一つのミスがチームを負けさせる」
 先週の第2節・龍谷大学戦は悪天候の中で行われ、自分たちの実力が露呈した試合となりました。練習中で課題が詰めきれていなかった不安な部分、初戦や練習で出ていたファンブル、反則等が試合に出ました。完全に準備不足です。我々が目指す「日本一」のレベルでこのようなミスがひとつでも起きれば負けにつながります。課題は明確になりましたが、それを改善するのは日々の努力でしか解決しません。これからのゲームでは一つのミスがチームを負けさせることにつながっていきます。勝つことにこだわっていくためにも、ミスに対して厳しく詰めていなければなりません。
 ではどのようにしていけばいいのか。
 練習中に起こったミスを本人も周りの人も見逃すことは論外ですが、イージーなミスに対してもどれだけ本気で本人、パートリーダーに伝え、そのミスを二度としないように取り組むか、これに尽きます。これは「日本一」を目指す上で当然のことですが、なかなか出来ている人は現時点では少ない。自分のプレーがうまくいっていないから言えない、周りからの指摘を聞き流す(本人も気づいているはず)、などになっているのではないか。それはただの「無責任」です。
 もちろん、人に求めるということはその発言にも責任が伴うので、自分が更に上のレベルで実行していかなければならないとは思います。しかしお互い発展途上なのだから、複雑に考えすぎず自分の素直に思った感情をぶつけ合うことが大切なのではないでしょうか。
 また、本人が試合でミスをしてしまった時に背負う事を考えれば、練習でミスを潰しておいた方が良いに決まっています。
 一方で、最近の練習ではこの考え方がやらされているようにも感じます。注意をしなくてはならないと思いすぎてダメなところにばかり視線がいき、良いプレーでも誉めるような雰囲気がない。それでは思い切ったプレーもできません。ミスをなくすために最大限の準備をして、そのうえで練習では思いっきり全力を尽くす、これが求めている練習ですし、試合にもそのまま当てはまることだと思っています。
 次節まであと一週間、リーグ最終節まで63日。残り少ない練習をいかに過ごしていくか。やり切ります。

弱さを自覚すること

 前節の近畿大学戦では、オフェンスは後半のドライブにも象徴されていたように、コミュニケーションミスや反則、ターンオーバー等で自滅。ディフェンスは、リーグ戦初の完封を収めたものの、強豪校に勝負できるファンダメンタルを試合中に出来ている選手が少ない。キッキングは、勝負どころで得点することが出来なかった。グラウンドでよく池永が口にしている「今のプレーで負けやぞ」という言葉をもっと危機感として全員受け止めるべきだ。我々は一昨年、昨年と違って「弱い」。
 前々節同様、反省で出た言葉は「準備不足」。「準備不足」ということは、まだまだ4年生のチェックが甘いということだ。リーグ終盤では、ロースコアゲームが予想される中で、ひとつのミスで負けに直結することは、フィールドに立つ人間全員が自覚しなければならない。ゲームの中で千載一遇のチャンスが回ってきたとしても「準備」が足りておらず、得点出来なければ勝利することは出来ない。ということは、我々4年生は引退ということになる。あれだけ春合宿でミーティングを重ね、気が狂ったようにトレーニングで自分を追い込み、夏合宿の苦労を共に乗り越えてきたことが、一瞬にして「無」になる。また、今の時点でリーグの最終節・立命館大学戦の第4Qをビハインドの状況で自分達のフットボールをして勝てるかという質問に「勝てる」と自信を持って言える人間が何人いるだろうか。根拠のない「自信」や「強がり」ではなく、本当に自分が勝利に導くと言える人間が何人いるのだろうか。今の取り組みで決戦前夜に「何が何でも勝つ」という思いに嘘偽りなく思えるのだろうか。この危機感が4年生になさすぎる。これはミーティングを重ねれば変わるというものではない。本人の自覚とそれを仲間がどれだけ気づかせてやるかだと思う。そして、その気づきの連鎖が勝利に繋がると信じて、貫いていくことしかスローガンである「ALL for ONE」を達成する術はないのではないかと私は考える。
 しかし、ここで私が言いたいのは「悲観的」になることとは違うということだ。強豪との差を絶望的に感じている部員もいるだろうし、自分の力量に不安を感じる人も多いだろうが、そこからどうしていくのかが大切だ。自分の「弱さ」を自覚して、フットボールに対しての取り組む姿勢を変えることで、あいまいに取り組んでいたことをなくし、しんどいけれどとことん自分と向き合い、他人にも要求され、要求していく。これが戦い続ける集団「FIGHTERS」だ、と私は解釈している。だからこそ、勝った時に言葉では表現することが出来ないような喜びと達成感が溢れ出てくるのだと思う。我々はそこを目標にしてフットボールをしていることを忘れてはならない。究極の目標ではあるが、それを達成することができる環境が我々には与えられているのだから、とことんKGのフットボールで勝負したい。
 現時点での社会人、強豪校との力量差は、正直まだある。しかし、FIGHTERSの先輩方は上述のようなことを実践し、過去には戦力面では厳しいと言われていた年でも勝ってこられた。私たちもそう言った泥臭いことができるチームで勝負して勝ちたいし、絶対にその上で目標の「日本一」を達成する。
 次節は、強豪校ともロースコアゲームをしてきている神戸大学。気を引き締めて望みます。応援よろしくお願

関学2013主務

久しぶりです、元主務の多田です。最後の更新、遅くなってしまい申し訳ございません。
 先日、高中礼拝堂にて行われました第39回ファイターズファミリー壮行会、宝塚ホテルでの甲子園ボウル優勝祝賀会を持ちまして、正式に部を引退することになりました。
 高校から始めたアメリカンフットボール部での活動が終わったと改めて実感するとともに、心の中にぽっかり穴が開いたような寂しい気持ちです。現役を引退したからかもしれませんが、ふとした時に思い出すことは、いつも4年生の時の日々が思い返されます。あの時やっててよかったなと思うことも、あの時なぜあんな事を言ってしまったのだろう、なんで謝らなかったんやろう、と後悔することも多々あります。こういったことが、社会人になっても現役を見た時に思い返され、「もっといろいろできたなぁ」と思うことがたくさんあるのだろうと思ったりします。結果もありますが、その過程でどれだけのことができるかが大切だと思いますので、ファイターズには、これからも変わらず突き詰めて欲しいと思っています。

 さて、今回のブログではファイターズで学んできたことを自分なりに整理して書こうと思います。

 このチームが「組織力・チーム力」また「リーダーシップ」という言葉を大切にしていることは、監督・コーチ陣がよく普段から口にされているので、学生たちはよく知っていると思います。今年のスローガンである「ALL for ONE」も「全員がひとつになって、日本一になる」という思いから決めたスローガンです。この1年は、この言葉をよく口にし、耳にし、都度いろいろなことを指摘されていたことを思い出します。初めは前で発言することすら自信がなく、反省もいろいろ出し合ったのですが、シーズンが深まるにつれて、皆自分の思いを持って自主的に行動できる人間が増えていきます。自分ができていたかどうかはわかりませんが、少なくとも部員を見ていて「自責」を理解し、顔つき、行動が変わっていくことは、主務をしていた中での「喜び」でありました。チーム作りをする上でよく「ベクトル」の話が挙げられますが、この部員達の変化によって、池永を中心にチームが一つの方向に向かい自分たちの持っている力を発揮しやすい精神状態に近づいていきました。スローガン(勝ち方、方向性)を部員が理解、共有し、それを学年関係なく取り組むことができたことは、「学生日本一、三連覇」の原動力としては大きかったと思います。
 先日、ある本を読みました。時間ができたので何気なく買った本なのですが、ファイターズのことが書かれてあるのかと思ったほど、強い組織、優れたリーダーシップについて記されていました。それもそのはず、経営者としての基本である「リーダーシップ論」を世に広めた方の著書でした。スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」という本です。あとから知ったのですが、かなり有名な方の本なので内容は割愛させてもらいますが、その中に気になる言葉がありました。「自分で考え、行動する本当の”大人”になる」と、「仲間と手を取り合い大きな成果を出す」。ファイターズで言うところの「一人前の人間になる」と「社会人チームを倒して日本一になる」という共同体(チーム)での目的が明確であるということです。この上で、日々の習慣としていくつか挙げられているのですが、まさしく4年生になって学んだことでした。

久しぶりです、元主務の多田です。最後の更新、遅くなってしまい申し訳ございません。
 先日、高中礼拝堂にて行われました第39回ファイターズファミリー壮行会、宝塚ホテルでの甲子園ボウル優勝祝賀会を持ちまして、正式に部を引退することになりました。
 高校から始めたアメリカンフットボール部での活動が終わったと改めて実感するとともに、心の中にぽっかり穴が開いたような寂しい気持ちです。現役を引退したからかもしれませんが、ふとした時に思い出すことは、いつも4年生の時の日々が思い返されます。あの時やっててよかったなと思うことも、あの時なぜあんな事を言ってしまったのだろう、なんで謝らなかったんやろう、と後悔することも多々あります。こういったことが、社会人になっても現役を見た時に思い返され、「もっといろいろできたなぁ」と思うことがたくさんあるのだろうと思ったりします。結果もありますが、その過程でどれだけのことができるかが大切だと思いますので、ファイターズには、これからも変わらず突き詰めて欲しいと思っています。

 さて、今回のブログではファイターズで学んできたことを自分なりに整理して書こうと思います。

 このチームが「組織力・チーム力」また「リーダーシップ」という言葉を大切にしていることは、監督・コーチ陣がよく普段から口にされているので、学生たちはよく知っていると思います。今年のスローガンである「ALL for ONE」も「全員がひとつになって、日本一になる」という思いから決めたスローガンです。この1年は、この言葉をよく口にし、耳にし、都度いろいろなことを指摘されていたことを思い出します。初めは前で発言することすら自信がなく、反省もいろいろ出し合ったのですが、シーズンが深まるにつれて、皆自分の思いを持って自主的に行動できる人間が増えていきます。自分ができていたかどうかはわかりませんが、少なくとも部員を見ていて「自責」を理解し、顔つき、行動が変わっていくことは、主務をしていた中での「喜び」でありました。チーム作りをする上でよく「ベクトル」の話が挙げられますが、この部員達の変化によって、池永を中心にチームが一つの方向に向かい自分たちの持っている力を発揮しやすい精神状態に近づいていきました。スローガン(勝ち方、方向性)を部員が理解、共有し、それを学年関係なく取り組むことができたことは、「学生日本一、三連覇」の原動力としては大きかったと思います。
 先日、ある本を読みました。時間ができたので何気なく買った本なのですが、ファイターズのことが書かれてあるのかと思ったほど、強い組織、優れたリーダーシップについて記されていました。それもそのはず、経営者としての基本である「リーダーシップ論」を世に広めた方の著書でした。スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」という本です。あとから知ったのですが、かなり有名な方の本なので内容は割愛させてもらいますが、その中に気になる言葉がありました。「自分で考え、行動する本当の”大人”になる」と、「仲間と手を取り合い大きな成果を出す」。ファイターズで言うところの「一人前の人間になる」と「社会人チームを倒して日本一になる」という共同体(チーム)での目的が明確であるということです。この上で、日々の習慣としていくつか挙げられているのですが、まさしく4年生になって学んだことでした。
 言葉自体は短いですが、これを自身が理解した上で行動することは至難です。頭で理解したまま終わる人や、明確な目標を持たずにがむしゃらにやって遠回りする人、理屈は嫌いと言って理解を拒絶する人、いろんな人がいると思いますが、これを実際にすることは本当に勇気が要り、なかなか一人では行動に移すことができません。だからこそ、このチームにいる間に是非とも仲間を頼ってでもいいから自分自身を変えるためにがむしゃらになって欲しいんです。私もよく幹部、4年生を中心に怒られました。本当に情けない気持ちだったし、いっそのこと逃げたいと思うことの方が多かったですが、その思いすらも同期の仲間は理解し、手を差し伸べてくれました。この関係性に気づけてから、些細なことではぶれない気持ちができました。
 それほどこの言葉には重みがあり、我々ファイターズを支えた言葉でもあります。2・3月ファイターズではミーティング合宿を行いますが、そこでは学年を織り交ぜて話し合いをします。この時期にファイターズという組織の考え方を学びます。自分がどうしていくべきなのか不安な人も多い時期ですが、その中で考え方を学ぶことでフットボールをする上での基礎を作ることができます。部員の中には、ミーティングばかりでつまらない、早くフットボールがしたいという者もいますが、ファイターズの基礎・ファンダメンタルが定まっていない人間は、実際試合に出場しているのも少ないはずです。逆にこの考え方は、役割やポジション関係なく学び、実践することができます。この考え方を早くから学び実践する人が増えれば、磐石な体制を築くことができるはずです。これは、スタッフ・選手関係ありません。出番がない人にも試合中、仕事の役割が与えられていることと同様、全てはチームのためなのです。チームへの行動、言動がチームを弱くすることも強くすることもできます。
 引退して改めて言うのも変かも知れませんが、シーズンを通して私達に、この考え方を具体的に噛み砕き我々を導いて下さった監督・コーチ陣には頭があがりません。本当に感謝しています。
 最後の最後まで同期、部員に頼りっぱなしの主務でしたが、このチームでやってきた経験はかけがえのない財産です。社会人になっても何か壁にぶつかったり、迷い、悩んだ時にファイターズでの教訓を糧に粘り強く戦って行きたいです。卒業生にとって、ファイターズは学生時代の大半をつぎ込んだかけがえのないチームであり、なにものにも代えがたい経験と最高の仲間を作ることが出来た場所です。

 拙い文章で読みにくいブログでしたが、最後の最後までお付き合いいただきありがとうございました。このブログに取り組ませていただいてたくさんのことを学びました。引き続きFIGHTERSへのご支援ご声援よろしくお願いいたします。

 

九州アメフトマネジャ

【泣くのなら】
The Last Year No.3
原田美優 MG

 大学入学のころのことです。実家から通う私は大学までの通学時間が長く、またアルバイトをしたいと思っていたため、当初は部活・サークルには何も入らないでおこうと思っていました。それでもアメフト部に入部したのは「熱さに惹かれたから」です。
 高校の時の吹奏楽部は月に一度休みがあればいいくらい。毎日が練習でした。私たちの目標は、毎年夏のコンクールの県大会で金賞を取り、更に九州大会に出場することでした。しかし、県大会で金賞を取っても必ず九州大会へ出場できるとは限りません。九州大会への出場推薦枠は決まっていて、金賞の中でも高得点の数校しか先に進めないのです。先のない金賞は「カラ金」と呼ばれ、1、2年生の時はその「カラ金」で悔し涙を流しました。
 そして迎えた3年生の夏。県大会の結果は金賞。けれども、本当に小差で九州大会への切符を逃し、再び悔し涙を流しました。それでも、あの時みんなで1つになって全力を出し切った夏は私の宝物です。
 「大学ではもう部活に入らない」と決めていたのですが、アメフト部の先輩に触れ、私の中にまた熱いものが芽生えてきました。「九州制覇」を目指すという先輩たち。その目標を語る目を忘れることができません。
 吹奏楽とアメフト。フィールドは全く違いますが、持っているのは同じ「熱いもの」です。「この人たちと一緒に頑張りたい、共に目標を達成したい」と直感で強く感じました。入部を決意してから一人だけ練習風景も見させてもらったことがあったのですが、そこでは勧誘の時とはまた違うピリッとした表情の先輩たちがいました。
 帰り際、マネージャーの先輩から「勧誘の時とは全然雰囲気が違って、びっくりしたでしょう?みんな本気だから、つい厳しい声も出たりするんだけど…怖くなかった?」と聞かれました。私はむしろ虜になりました。普段は仲良しでも、練習になると意見をぶつけ合ったり、厳しいことを言い合うことは吹奏楽部時代もたくさんありました。それは本気だからです。本気で「金賞」を目指していたからこそ、自然と互いに高め合っていたのです。ONとOFFを切り替えられる先輩たちを見て、ここに入部して間違いないと感じました。そして、先輩たちのように、私もここに4年間をぶつけようと決意しました。
 そしてその年に「九州制覇」を成し遂げました。九州優勝が確定した瞬間、4年生の先輩たちはもちろん、後輩たち、コーチの方々、会場の皆さんが、嬉し涙を流していました。私もその一人です。
 1年生の私は仕事をなかなか覚えられず、思うように成長できない自分に悔し涙を流す毎日でした。それでも、その時の優勝した瞬間のあの何とも言い表しがたい、胸が熱く、言葉にならない思いが涙としてこみ上げてくる感じ。それは4年生となった今でも思い出すだけで目頭が熱くなります。
 その後、2年、3年の時は苦しい試合が続き結果は4位。1年生のあの優勝した瞬間から今まで、先輩たちや同期・後輩たちの悔し涙ばかり見てきました。でも、2年と3年で4位が決まった時も泣きませんでした。周囲は泣いていたけれど、泣きませんでした。悔しかったからです。泣いたら負けを認めてしまうような気がして。もう、嬉し涙しか流したくない、流さない。そう思いました。
 そして、4年生になるとき、その思いは「後輩たちにも嬉し涙を味わってほしい」という思いに変わりました。
 月日が経つのは本当にあっという間で、今の部員の中で優勝の感動を知っているのは、私たちの代だけになってしまいました。私は後輩たちにあの優勝の喜びを知ってもらいたい、もう一度みんなであの優勝の喜びを感じ合いたいと思っています。どんなに辛くても、大変でも、私の心の中でこの思いは消えません。
 吹奏楽部の頃は人数が多く、コンクールで演奏するためのオーディションがあり、それに合格した人しか出場できませんでした。アメフト部でもプレイヤーはスタメン争いがありますが、マネージャーはオーディションもスタメン争いもありません。だからこそ、各自が自分の持つ仕事を全うし、さらに+αの価値を提供することがより良い環境作りに繋がると思います。苦しい時も大変な時もありますが、最後まで私にできること、私にしかできないことを、全力で続けていきます。
 全ては「優勝」して嬉し涙を流すために。